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住職の言葉


~13,日面仏月面仏(にちめんぶつ がちめんぶつ)~
中国は唐の時代に活躍した馬祖道一(ばそとういつ)という禅僧が死の病の床にある時に弟子の一人が「ご様子はいかがですか」と見舞にやってきます。すると馬祖道一は、「日面仏(にちめんぶつ)。月面仏(がちめんぶつ)。」と答えます。日面仏も月面仏も三千仏経に登場する仏さまのことで日面仏は非常に長生きで千八百年生きると言われており、逆に月面仏は、とても短命な仏さまでその寿命は一日一夜と言われているそうです。馬祖道一は、死の病の床にあってとても長生きの仏さまの名前ととても短命な仏様の名前をあげたのです。 「親より先に死ぬことは最大の親不孝だ」とおっしゃる方がおられます。言葉の使い方にとても神経質な現代にあっては、このような言い方に対して何か意見をしてくる人がいるかもしれませんが、そんなふうに思ったとしても仕方のない場合もたくさんあると思います。 家族の誰かが亡くなること、親しくしていた人が亡くなることは、我々に大きな苦痛をもたらします。そういうことを克服するのにとても時間がかかったり、時にはお医者様の力を借りたりする方もいらっしゃいます。だからこそ、生き
住職
5 days ago


~12,般若心経~
般若心経は、お釈迦様が入滅されてから約五百年後にインドで成立した経文であると言われています。中国は唐の時代、玄奘三蔵によって、中国にもたらされ、漢文に翻訳された後に日本に伝わりました。 般若心経に書いてあることは、一言でいえば「空」何もないということです。 ◇是諸法空相(ぜしょほうくううそう)「この宇宙のすべては、ことごとく寄る辺(よるべ)のない実体のないものだ」 ◇不生不滅不垢不浄不増不減(ふしょうふめつふくうふじょうふぞうふげん) 「実体がないので、生ずることもないし、消滅することもないし、汚れることもなければきれいになることもない。増えもしなければ、減ることもない。」 とあるようにすべては、かりそめの実体のないものであると述べています。それは人間の身体や、そのはたらきも同じで、心のはたらきも実体のないものだと言っています。それどころか、悩みや迷いももちろんのこと、仏の「悟りの知恵」すらないと言っています。それ故に私たちは一切の妨げがなく、限りなく自由で、限りなく平等であるというのです。 なんだかわかるような、わからないような内容です。
住職
Dec 1, 2025


~11,田んぼにイネを植えること~
中国は唐の時代の末期に活躍した禅僧、地蔵桂琛(じぞうけいしん)和尚のところに旅の修行僧がやってきます。桂琛和尚は、地蔵院(じぞういん)というお寺の住職なので、地蔵桂琛と呼ばれていました。桂琛和尚は、修行僧にどこから来たのかと質問します。修行僧は南方から来たと答えます。桂琛和尚が「南方は仏教が盛んだと聞いているがどんな様子なのか」と聞くと修行僧は「僧侶の間で議論がさかんに行われ、その理解を一層深めている」と答えます。桂琛和尚は、「そのようなことは、この近所で田圃にイネを植えて収穫して、それを握り飯にして食べることに全く及ばない」と答えます。修行僧は、「そんなことで、迷いや悩みのタネとなる三毒(人の欲や、美醜の観念、頑迷さ)をなんとかできるのか」と言います。すると桂琛和尚は、「そもそも何を示して三毒なのか。最初からそんなものは影も形もない」と言います。 これは、言葉や観念といったものから離れ切らないと仏の教えはわからないというお話です。 言葉は、人類にとって最大の武器であると言ってもいいかもしれません。人類の発展にとって言葉はとても重要なものであ
住職
Nov 1, 2025


~9,馬祖白黒(ばそびゃっこく)~
中国は唐の時代に馬祖道一(ばそとういつ)という禅僧がいました。牛のように歩き、虎のように視て、舌を上に伸ばすと鼻の上まで届いたという異相(いそう)の人だったそうです。多くの弟子の指導をして、沢山の名僧を世に出した人でもあります。...
住職
Sep 1, 2025


~8,但莫憎愛 洞然明白 (ただぞうあいなければ、とうねんとしてめいはくなり)~
「但(ただ)憎愛(ぞうあい)莫(な)ければ、洞然(とうねん)として明白(めいはく)なり」とは、中国に禅をお伝えになった達磨大師(だるまだいし)より三代目の僧璨大師(そうさんだいし)がお示しになった「信心銘(しんじんめい)」の冒頭部分の一説です。...
住職
Aug 1, 2025


~7,百丈野狐(ひゃくじょうやこ)~
百丈懐海(ひゃくじょうえかい)は、禅の世界ではよく知られた人物です。中国の和尚さんですが、たくさんのお弟子さんがおられ、百丈山(ひゃくじょうさん)で、その指導にあたられた人です。懐海は、日々、本堂で説法を行ったのですが、いつのころからか弟子たちの中にまじって見慣れない老僧が...
住職
Jul 1, 2025


~6,捨身飼虎(しゃしんしこ)~
インドの善王・大事(だいじ)には三人の息子がいました。この三人の王子たちは、ある日、仲よく野を遊び歩いていると、飢えた母虎が、乳が出ず、自分の七匹の子を養えないばかりか、飢えをしのぐためにその子供たちを食べようとしている場面に遭遇します。上の兄たちは、同情の心を示すけれども...
住職
Jun 1, 2025


~ 5,南泉斬猫(なんせんざんびょう)~
坐禅の有名なお話に「南泉斬猫(なんせんざんびょう)」というお話があります。 中国の禅僧、南泉和尚はたくさんのお弟子さんがおられたのですが、ある時、その弟子たちが、迷い込んできた猫を囲んで東西に分かれて、猫に仏性があるかどうか(猫が仏であるかどうか)という大議論をしていると...
住職
May 1, 2025


~4,喫茶喫飯(きっさきっぱん)~
坐禅とは、目の前のことそれきりしかない自分を知ることです。それは、自分が自分であると思っているものを全て捨てきることでもあります。 もうだいぶ前のことになりますが、静岡県掛川市の少林寺・井上貫道老師のところに坐禅の修行に行くことがありました。その道場では、30人ほどの人が...
住職
Apr 1, 2025


~2,法眼指簾(ほうげんしれん)~
昔の中国の禅僧、法眼清涼文益(ほうげんせいりょうぶんえき)は、ある時、建物の中にいて、外の景色を見ようと思いました。弟子に下りていた簾(れん)を上げさせようと思って、まず簾を指差します。たまたま二人の弟子がそばに控えていて、その一人がまだ法眼が何も言わないうちに簾を上げてく...
住職
Jan 24, 2025


~1,不思量底を思量する~
道元禅師の普勧坐禅儀の中に登場する「不思量底(ふしりょうてい)を思量(しりょう)する」という言葉を題材にお話をしたいと思います。 「不思量底を思量する」とは、「考えないことを考える」という意味になりますが、「心から離れてものを考える」と言ったらわかりやすいかもしれません。...
住職
Dec 27, 2024
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